ども、オーディオ&ヴィジュアル(AV)が大好きなゆとらです。
コロナ禍でおうち時間が増えている人が多くなっているが、こっそり流行っているものがあるのをご存知だろうか?
「ホームシアター」である。
家にいる時間が多くなるにつれて「Amazonプライムビデオ」や「Netflix」などのサブスク動画配信サービスの利用が増えていることは、ニュースなどでよく知られていると思う。
実は、その余波として「ホームシアター」に取り組む人が増えているのである。
映画館に足を運ぶ人がコロナで減っているというのも関係しているだろう。
動画サービスはもちろん、せっかく持っているブルーレイやDVDもできるだけ高画質・高音質で、できれば「映画館」のように楽しめたら、そりゃ楽しいよね。
だけど、
ホームシアターってどうやって組めばいいの?
どんなシステムを組めば満足できそう?
こういったお声が多い。
ってなわけで、10年以上前から「ホームシアター」に取り組む僕から、効率の良いホームシアターの取り組み方や、おすすめのシステムを紹介しておきたい。
ぜひ参考にして、最大限ホームシアターを楽しんでほしい。
ホームシアターに必要なものは?
「ホームシアターやってみようかな?」
と思ったら、一体何が必要になるのか。以下まとめてみた。
1.ディスプレイ(TVやプロジェクター)
2.AVアンプ
3.スピーカー
4.動画プレーヤー
ひとつずつ解説していこう。
1.ディスプレイ
映像を映すためのディスプレイが当然必要だ。
これはTVを「持っていない」という人は少ないだろうと思うが、できれば大画面で楽しみたい。
液晶テレビや有機ELテレビでももちろんいいのだが、もし「プロジェクター」を用意できれば、より大画面で映画を楽しめるため、雰囲気がグッと【シアター】になる。
付随して、場合によっては「スクリーン」が必要になる。
「プロジェクター」導入は正直、スペースの問題や家族の理解と許可が必要だと思われるので、ややハードルは高いかもしれない。
だがもし「プロジェクター」設置のスペースがあり、家族の理解が得られれば、理想のホームシアターが組めることになるので、ぜひ検討したい項目だ。
「プロジェクター」を選ぶ際のポイントは主に『解像度』である。
『解像度』というのは、どれだけ細かく映像を表示できるかを表すものと思ってほしい。
「解像度が高い」ほど、細かい描写が可能だ。「フルHD」「4K」とかっていう表示を電気屋で見たことがないだろうか?それだ。
「雰囲気だけ味わえれば」という場合、『解像度』はあまり気にしなくてもいい項目に思えるかもしれないが、「大画面になる」ことによる『解像度』の影響は想像以上に大きいものだ。
今どきの映像コンテンツをしっかり表示させるなら、最低「フルHD(1920×1080)」の解像度以上のものを選ぼう。ブルーレイディスク(BD)の解像度が「フルHD」なのだ。
地上波デジタル放送も「フルHD」ではないが、それに近い。(1440×1080)
そしてもし可能なら「4K(3840×2160)」を選んでおけば、より綺麗で鮮明な映像が楽しめる。
衛星デジタル放送で「4K」画質の放送がされ始めたことや、「UHD BD(ウルトラブルーレイディスク)」は「4K」画質だ。
「Netflix」など動画配信サービスでも「4K」のものが増えてきている。(ちなみに「4K」コンテンツ以外のものも4Kに変換して綺麗に表示されるので、画質的には有利なのだ。)
ただし「4K」に対応したプロジェクターはそれなりの値段になることも多いため、できるだけコスパ重視で選びたい。もしくは他のシステムにかける値段と相談して導入するか決めてほしい。
僕のおすすめは超ハイコスパ機『ViewSonic PX727-4K』だ。(アメリカのメーカー
オーディオ雑誌や、ネット上では大体おすすめは「ソニー」とか「JVC」「エプソン」あたりとなっているが、正直値段が高くおすすめしがたい。(20万円以上)
ちょっと詳しい方なら「BenQ」あたりでお値段を抑えて15万円ぐらいってのもある。
だが、このViewsonic「PX727-4K」は、なんと10万円以下で買えてしまうのに、機能や実際の画質は上記メーカーと正直遜色ない。
映画館と同じ投影方式である「DLP方式」を採用(厳密には映画館とは多少違うが)しているため、通常の「3LCD方式」に比べて、黒の表現やコントラストが高く、また動きに強く「4K」解像度もしっかり表示できる。
「HDR(ハイダイナミックレンジ)」という「4K」と並んでマニアに重視される映像表現規格にも対応していて、マジ画質に関しては値段からは考えられないほど素晴らしい。
スクリーンに投影して初めて映ったら
「うおぉぉーーーっ!」
と感動することだろう。
最近、そんな感動したかい??
「ない」って方は、そういったワクワクを取り戻さないか?と言いたい。
僕は実際自宅で「PX727-4K」を利用しているが、以前使用していた上記某メーカーのプロジェクター(3LCD方式)よりも、むしろ画質的に優れていると言っても過言ではない。(ちなみに「PX747-4K」なるコストコ専売モデルもあるが、輝度が高いので、部屋を暗くできない方にはそちらが向いているかもしれない。)
なぜそんなに優れているのに知られていないのか?
まず挙げられるのが「設置の自由度が低い」。
「プロジェクター」によく付いている機能として「レンズシフト」というものがある。
プロジェクターを設置してまっすぐ前に映像を投影できないというスペースの問題を解決してくれる機能である。
これが『ViewSonic PX727-4K』には付いていないので、真正面に設置できなければ、おのずと「レンズシフト」機能付きのプロジェクターの選択となってしまう。
この問題は「天吊り」設置してしまえば解決するので、僕の場合「天吊り」している。(厳密には背の高いスチールラックを使った疑似天吊り。)
あとは、他社競合が勝負できないレベルの価格設定なので、宣伝費用をかけていないというマーケティングの問題だろうと思う。
でもネット時代の今は、やっぱりわかっている人はわかっていて、この『ViewSonic PX727-4K』は「「価格.com」で「プロダクトアワード」を受賞している。
ほんとに「口コミ」だけで売れているのが本当に良い商品なのだ。
白い壁がある方はそこに投影してもいいが、多くのご家庭は「スクリーン」の設置も必要かもしれない。
うちの場合は窓側に設置しているので、カーテン無くしてロールスクリーン兼プロジェクター用スクリーンを使っている。(ただし妻には呆れられたので注意されたし)
テレビの場合は「有機ELテレビ」をおすすめしておきたい。
映像の表現力が液晶テレビでは絶対に表現できないレベルなので、没入感が大画面とはまた違う意味でスゴイからだ。

2.AVアンプ
「AVアンプって何?」って人も多いかもしれない。
「AVアンプ」は、主に「ホームシアターのサラウンド」を担当するシステムである。
「5.1chサラウンド」とか「DOLBY ATMOS(ドルビーアトモス)」なんて言葉、聞いたことないだろうか?
前からも後ろからも音が聞こえるようなサラウンドのことだ。
映画館は正にこの「サラウンド」を採用していて、最近では「左右」「前後」だけでなく「上」からも音が降り注いだりする。
DVDやブルーレイディスクには、この「サラウンド音声」のデータが含まれていて、そのサラウンドを再生しようと思うと、この「AVアンプ」が必要になるというわけだ。
「サラウンド」にも色々あるが、「ホームシアター」という限り、自宅でシステムを組むことになるため、天井から音が降り注ぐ・・・なんて大げさなシステムを組める人は少ないと思う。
なので、最低「5.1chサラウンド」(=前後左右)再生できればいい、と思っておいてほしい。
ただし、このAVアンプ。
機種によって音質も機能も価格もピンキリである。
もうあれこれ説明しすぎると混乱すると思うので、ズバリオススメを載せておく。
映画館の雰囲気重視の場合の選択は、ヤマハの「RX-A1080」。ギリ10万円以内。
ヤマハは入門機からマニア向けまでかなり幅広くAVアンプを展開し、最もAVアンプに力を入れている日本のオーディオメーカーである。
中でも基本的な音質がグッとUPするのが「AVENTAGE(アベンタージュ)」と呼ばれるモデルになる。
何度も買い替えたくないという方は、アベンタージュの末弟「RX-1080」が価格と機能のバランスが取れていいと思う。
2018年発売なので、技術進歩が著しいデジタルオーディオの世界では最新モデルとは言えないかもしれないが、基本の音質レベルが非常に高いのに加え、自動的にAIが視聴している映像・音楽に合わせたサラウンドを作り出してくれるという「サラウンドAI」という画期的な機能が素晴らしい。
「サラウンドを作り出す」ことは、【音をあれこれ加工し「音質低下」をまねく】というのはもはや古い考え。
以前のAVアンプや他社メーカーのサラウンド機能はそうだったりもするが、ヤマハ「アベンタージュ」の場合、「音」そのものには手を加えず、反響音のみ「加える」という方式のため、音質劣化はほぼ無しと考えていいレベル。
実際僕はヤマハのAVアンプを何台か使ってきたが、「RX-A1080」は、とても自然なサラウンドを再現してくれる。
ヤマハは昔からサラウンドに真剣に向き合ってきたメーカーで、実際にある「ホール」や「劇場」の音データを測定し、それを再現するために工夫してきたという歴史がある。
そして再現するためのDSP(デジタルシグナルプロセッサー)と呼ばれるものも、他社が32bit(ざっくり言うと数値が高い方が精度が高い)のところ、ヤマハは再現性を高めるため64bitというこだわりよう。
このあたりは他のメーカーには真似できないヤマハの優位性だ。
「RX-A1080」の値段がちょっと…というのもわからんではないが、『AVアンプにお金はケチらない方がいい』というのが長年ホームシアターをやってきた僕の結論だ。
AVアンプの質が、もろに音質と雰囲気に影響するからだ。
ホームシアターの核であるAVアンプは【それなりの物】を選択しておこう。
次点でのオススメはデノンの「AVR-X4700H」だ。
デノンはヤマハとは対照的な音作りで、サラウンドに対して「ストレートデコード」へこだわりを見せるメーカーだ。
ヤマハのようにサラウンドを作り出すのではなく、ディスクに収めている情報をできる限りストレートに引き出すという考えだ。
対照的ではあるが、デノンの音作りもなかなかに素晴らしく、太い低音に支えられた実在感のある音質が大きな特徴となっている。
やはりAVアンプのモデルはピンキリだが、この「AVR-X4700H」はミドルモデルで、このモデルからアンプとしての『格』が上がり、音質がグっとUPする印象だ。
やや派手めの音が好きな方はデノンも視野に入れていい。
個人的な感想を言わせていただくと、デノンの音は長時間の映画鑑賞だと「やや疲れる」。
音の張り出しが凄く、迫力ある音が楽しめるのだが、その分、無意識レベルで「ややうるさい」と感じているのかもしれない。
その点、ヤマハの音は「ノイズが少なく大人な音」という感じで、僕の好きな「アナログライクな音」で聴感上気持ちイイ。
ヤマハの理念は「ナチュラルサウンド」なので、個人的にはデノンも好きだが、僕がヤマハの方の大人な音が好きな年齢になってきたのかもしれない。
3.スピーカー
スピーカーもピンキリだが、サラウンドを鳴らそうとすると、最低5台必要になるので、コスパが非常に大切な要素だ。
コストは大切だが、安くてもある程度「まともな音」が鳴らせるキチンとしたスピーカーを選びたい。
値段幅が非常に大きいので、いくつかオススメをあげておきたい。
まずは英国KEFの「Q350」。
「Q350」はホームシアター用途はもちろん、本格的なオーディオとしても使えるスピーカー。
KEFはオーディオ好きな方以外は馴染みがないかもしれないが、英国BBC放送のモニタースピーカーにも選ばれるほどのメーカーで、国内スピーカーより暖かくクラシカルな音質が特徴。
価格からは考えられない雄大な音とスイートスポットが広いという特徴はシアターにピッタリだ。
実際、KEFの音質に魅せられて、KEFのスピーカーをベースにホームシアターを組んでいる方も多い。
リアサラウンドとしては、ひとまわり小さい「Q150」でも十分迫力ある音が楽しめる。
センタースピーカーとして「Q350」を使用してもいいが、専用スピーカーとしては「Q650C」もしくは「Q250C」となる。
実はセンタースピーカーはセリフのみならず、出力する音数が多く、軽視されがちだがかなり重要なスピーカー。
やや値段は張るが「Q650C」にしておきたいところではある。
ただしKEFで5台揃えるには値段が…という方にはアメリカのメーカーJBLのStage「A130」「A120」でお値段を抑えて組むのも悪くないだろう。KEFの半分ぐらいの値段で組める。
JBLのスピーカーは実際に映画館でも採用実績があるため、映画鑑賞との親和性は比較的高い。
「A130」をメインスピーカーにして、「A120」はリアサラウンドスピーカーとして使う感じだ。
センターは、JBLで組むなら同じStageシリーズ「A125C」となる。
ちなみに「5.1ch」ではなく「7.1ch」とか、最新のサラウンドだと「5.1.4ch」など、より多くのスピーカーが必要になるサラウンドもあるが、このあたりは【まず5.1chシステムを組む】ことから発展させていけるので、まずは5台分のスピーカーを揃えよう。
それと「0.1ch」は「サブウーファー」という重低音を担当する専用のウーファーシステムとなるが、これは必ずしも必要ない。
というか、住宅事情によって、上記5台のスピーカーでも「重低音が足りない」「重低音が欲しい」と思った場合にのみ設置を考えてよい。
重低音がホームシアターのひとつの魅力ではあるが、サブウーファーから出る重低音はかなりの音量なので、場合によっては近所迷惑になるし、5台のスピーカーだけでも上記システムならそれなりの低音が出るので、0.1chは後から考えよう。
サブウーファーの設置は5台のスピーカーを鳴らしてみてから!!
4.プレーヤー
映画や動画を再生する機器が必要である。
最近では必ずしもDVD・BDプレーヤー(もしくはレコーダーでもOK)が無くても「FireStick」などがあれば、動画配信サービスを利用できる場合、再生可能だ。(テレビをディスプレイとして利用する場合、テレビにアプリが入っていたりネットに入れる場合「FireStick」すら要らない。)
コスパに最も優れるのはやはりアマゾンの「FireStick」ということになろうと思うが、やはりこれも「4K」に対応しているのが最も望ましい。
再生機だけというのは最近需要も少ないようだが、おすすめできるとしたらソニーの「UBP-X800M2」が値段と性能のバランスが最もいいと思う。
おうちでホームシアターまとめ
さて、いかがだっただろうか?
必ずしも上記のシステムで組む必要はなく、家にある余っている昔のミニコンポのスピーカーなどをリアサラウンドに活用する、など、ホームシアターの組み方は人それぞれだ。
だが「プロジェクター」と「AVアンプ」はホームシアターの根幹を成すものなのに、意外と適当に選ばれているような感じがあるのが勿体ない。
それら次第で、ホームシアターが格段に素晴らしいものになること請け合いなので、ぜひ環境を整えて設置にチャレンジしてほしい。
ホームシアター導入のハードルが高いと思って導入しないのは本当に人生損してる!
めっちゃ楽しいし、毎日の生活にワクワクが戻ってくるので、カタチはどうであれ絶対に「ホームシアター」に取り組んでほしい。
実際に導入したら、問題点やもっとココをこうしたい、など出てくるので、まずはどんなものでもいい。行動しよう。
毎日の生活に少しの「ゆとり」とワクワクを取り戻そう!