東芝の有機ELテレビレグザの機種「X9900N」と「X8900N」どちらがいいのか悩んでおられませんか?
今回は、東芝の有機EL主力モデルの違いを徹底的にレビューし、どちらを選ぶべきかを考えてみたいと思います。
同じ55インチ(55型)で比較してみました。
購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
画質の違い
どちらのモデルも4K解像度を持っているため、画質には大きな差はないと思われがちですが、最も大きな違いが画質となります。
画質はテレビ選びの最も重要な要素になります。
特に、色再現性とコントラスト比などパネル性能と画像処理技術によるものとがあります。
まず使用している「有機ELパネル」は、両モデルで大きく異なります。
X9900Nは新世代の「MLA-OLED」(マイクロレンズアレイ有機EL)パネルを採用し、輝度が高くグラデーションがより美しく出せる高性能パネルを採用しています。
X8900Nは通常の有機ELパネルとなります。
東芝の有機ELテレビについては、パネルももちろんですが、特に画像処理技術においてモデルごとに差をつけています。
「X9900N」は、画像処理エンジンが最新の「レグザエンジンZRα(アルファ)」です。
一方「X8900N」も新エンジンではありますが「レグザエンジンZR」というアルファのつかない画像処理エンジンになります。
具体的なところでいくと「自動映像高画質」機能として、「X9900N」は「おまかせAIピクチャーPRO」、「X8900N」は「おまかせAIピクチャー」。
ノイズ処理に関しては「X9900N」が「AIナチュラルフォーカステクノロジーPRO」「地デジAIビューティーPRO」「ネット動画ビューティーPRO」と、それぞれにPRO(プロ)と付きます。
「X8900N」はそれぞれPRO(プロ)名称が無しの画像処理となっています。
また広色域も「X9900N」で「ナチュラルフェイストーンPRO」に対し、「X8900N」がRROなし。
「X9900N」は「64色軸リッチカラーイメージコントロール」に対し、「X8900N」が「36色軸リッチカラーイメージコントロール」と、やはり違いがあります。
このパネル性能の差と技術の投入から考えて、画質はどう考えても「X9900N」がかなり上となります。
また録画機能としても「X9900N」のみ「タイムシフトマシン」に対応しています。
音質の違い
音質に関しても、両モデルには明確な違いがあります。
「X9900N」は「BAZOOKA XIS」と称される18個(55型は14個)ものスピーカーを搭載し、立体音響を作り出すように工夫されています。
音声実用最大出力も170W(55型)と高出力です。
映画や音楽を楽しむ際には、「X9900N」の方が臨場感を感じるでしょう。
一方、「X8900N」は「BAZOOKA XP」と称されるスピーカー6個のタイプです。
72Wの実用最大出力があり、立体的なサウンドを目指してはいますので、日常的な視聴には十分な音質を持っていますが、「X9900N」のようなイマーシブ360PRO(立体音響)ではありません。
音質にこだわりがある方には「X9900N」が合いますが、コストを重視する方やサウンドバーを導入予定なら音質は気にしなくても良い部分になります。
ゲームをする方にとっての機能は「X9900N」が4K144Hz入力、eARC、VRR、ALLMと申し分ないでしょう。
「X8900N」は144HzVRRゲームモードには対応していません。
デザインとサイズ
次に、デザインとサイズについて見ていきましょう。
はっきり言って、どちらも大差ないです。
パナソニックのような転倒防止スタンドを採用はしていません。
スイーベル(首振り)機能もありません。
価格とコストパフォーマンス
東芝のメリットと言えば、この価格という部分になります。
価格についても確認しておきましょう。
「X9900N」はハイエンドモデルとして高価ですが、MLA-OLEDパネルを採用している割には価格が安いと思います。
一方、「X8900N」は価格設定が比較的リーズナブルで、コストパフォーマンスが非常に高いです。
時期や購入場所によりますが、約10万円近くの差が出ることもあります。
まとめ~どちらを選ぶべきか?
今回は東芝の有機ELテレビレグザ「X9900N」と「X8900N」の違いを徹底的にレビューしました。
どちらを選ぶべきかは、使用目的や予算に応じて変わってきます。
もし、最高の画質と音質を追求するのであれば他社の有機ELテレビをおすすめしますが、コストを抑えつつも最新の輝度の高い高画質を求めるなら「X9900N」はお買い得とも言える価格のハイエンドモデルです。
有機ELパネルも世代を重ねるにつれ進化してきていますので、スタンダードモデル「X8900N」でも画質に大きな後悔はしないでしょうし、コストパフォーマンスにはかなり優れています。
ただし、東芝の弱点はパナソニックのようにパネルに手を加えて更に画質を向上させよう、というものがなく、あくまで画像処理エンジンに画質を頼っている部分になります。
コスパという意味では、MLA-OLEDパネル搭載の「X9900N」は確かにお買い得ではありますが、パナソニックの同パネル搭載モデルとは画質に差が出ているのも事実です。
東芝の有機ELテレビレグザは手頃な価格で液晶より高画質を楽しみたい方、主に「地デジ」を見る方(あまり映画作品などを見ない方)に向いていると思います。
ぜひ、自分に最適なテレビを見つけてくださいね。