ども、人生にゆとりと幸福を創るFPです。
さて、音楽数珠つなぎは、ビートルズ~ビーチボーイズ~ブライアン・ウィルソンときて、今日はビートルズのメンバー「ポール・マッカートニー」です。
「ビートルズが大好きなのに、ポール・マッカートニーのソロ作品はあまり知らない」なんて人は意外に多いです。
いやいや・・・ポール、ソロでも素晴らしいですし、実際No.1売上やチャートインも多数。
ギネスに「ポピュラー音楽史上最も成功した作曲家」と認定されているほどです。
「ビートルズよりウイングスの方が好きだ」なんてファンもいるぐらいですから、食わず嫌いするより聞いてみることをオススメします。
忙しくてなかなかゆっくり音楽を聴く時間がない方も多いと思いますので、エバーグリーンな音楽だけをお伝えするように心がけています。
ポール・マッカートニーに関しては、ウィングス~ソロ活動においても大ヒットアルバムが多いので、ある程度絞って、絶対に聴いてほしいものだけを厳選してお届けしていきます。
1人ビートルズの本家本元ポール・マッカートニー
「Paul Mccartney(ポール・マッカートニー)」は、いわずと知れたThe Beatles(ザ・ビートルズ)の中心的メンバーの一人。
ビートルズは全員がすごいんだけれども、僕は「音楽的」な意味において、やはりポール・マッカートニーに一票を投じたい。
もちろん好みはあろうと思いますが、ソロ活動でのヒット曲の数の多さやクオリティ、知名度など多方面に置いて群を抜いていることは、客観的にみて間違いないからです。
「ビートルズを見たければ、ポールのライヴに行け」とはジョージ・ハリスンの弁。
この言葉にはジョージ流の皮肉も込められているのですが、ウイングスの絶頂期は、確かにビートルズにも負けないぐらいの熱さがありました。
ビートルズ解散後のポール・マッカートニー
ビートルズ解散の原因は一つではないですが、解散することが世に知れたのは、1970年4月10日。ポールがイギリスの大衆紙「デイリー・ミラー」でビートルズ脱退を発表したことで知れ渡りました。
いざこざを抱えたまま4月17日には、ビートルズ『Let It Be』(ビートルズ最後のリリースアルバム:1970年5月8日発売)より先に、ポール自身のソロアルバム『McCartney』をリリース。
『McCartney』自身の名を冠した手作り感満載の粗い曲が多いアルバムです。
当時の評判はビートルズ解散の責任を負わされたことも手伝ってか散々でした。(ただしポールの知名度もあり、アルバム自体はビルボート1位のヒット。)
以後しばらくポールの世間での評価はヒドイものであり、当時「ポールのファンだ。」と公言するとバカにされるほどヒドかったようです。
とはいえこのファーストアルバムには、ゲットバックセッション時作曲の「Every Night」「Junk」「Teddy Boy」など、それなりに聴きどころのある曲があるし、何より名曲「Maybe I’m Amazed」は、ポールのソロを代表する作品のひとつで、ポールの絶品のシャウトが聴ける曲です。
当時シングルカットされなかったのが不思議なぐらいの名曲を聴くだけでも価値はありますが、ヴォーカルなしの曲や粗削りの曲も多く、買うなら価値がありそうな「紙ジャケ版仕様」にしておきましょう。
ポールはビートルズ解散後、ショックのあまりスコットランドの農場に引きこもってしまいますが、そんなポールを癒してくれたのは、やはり音楽だったようです。(もちろん妻であるリンダ・マッカートニーの存在も大きかったでしょうね。)
ポール・マッカートニーソロ作品のおすすめアルバム
1.RAM(ラム)
『McCaryney』で酷評されたポールは、次のアルバム『RAM(ラム)』(1971年発表)でも同じような路線を踏襲しますが、実験的であった前作よりも本腰を入れたレコーディングとなり、素晴らしい出来です!
『RAM』は発売当時は酷評されるも、現在では再評価がすすみ「名盤」とされています。全英1位、全米2位を記録。
アルバムの最初を飾る曲「Too Many People」からラスト「Back Seat」まで、ほぼ捨て曲なしのレベルの高さ。このアルバムは初期の名盤として外せない一枚です。
後にシングル化される「Uncle Albert/Admiral Halsey」(ソロで初の全米1位:グラミー賞で最優秀アレンジメントを受賞)で、流れるようなポールお得意のメドレーが堪能できます。
「おおっ!!これだ!これがポールだよ!」と言わんばかりの展開にニヤっとします。
リンダのコーラスもいい味出してるし、『RAM』は全体の音づくりがシンプルなのに凝っていて何とも気持ちいいアルバムです。70年代の音の感じもシビれますね!
最後はビートルズ時代に作った名曲「Back Seat」で幕を閉じる。
「Back Seat」は、やや大げさな曲ですが、ポール・マッカートニーらしさがある意味全開の展開で、前作『Mccartney』同様、ポールがさまざまな楽器を演奏しているものの、質の違いは歴然です。
『RAM』は「ポールの美味しいところ」が堪能できるアルバムと言えるでしょう。
ポール、ベスト盤じゃなくてもスゲ。。。
と感動すると思います。
僕は唖然としました。
今では「ポール・マッカートニー アーカイヴ・コレクション」としてリマスターされ、ボーナストラックとして、ソロ1stシングル「Another Day」など7曲プラス収録されたデラックスエディションがオススメです。
ビートルズから入って「ポール・マッカートニーのソロも聴いてみようかな?」という場合は、真っ先に聴いてほしいアルバムが『RAM(ラム)』になります。
ビートルズのアルバム同様、きっと愛聴盤になると思いますよ。
なお、このアルバムを愛しすぎてこんな(『ピュア・マッカートニー』)の出しちゃった人もいるんです。『RAM』を全曲やったライヴアルバムで、出来も素晴らしいです。ビートルズ好きがわかるアーティストの代表的存在でもあるティム・クリステンセンとマイク・ヴァイオラですね。
さらに『The Ram Project』なんてものの。
いかにミュージシャンがこの『RAM』というアルバムを愛しているかわかりますね。やや緩い出来がいい味出してます。
2.Red Rose Speedway(レッドローズ・スピードウェイ)
さて、以降はしばらくポールが、デニー・レイン、リンダと一緒に「Wings(ウィングス)」なるバンドを結成して、また世界の頂点を目指す旅が始まります。
アルバム『Wild Life』は、実験的で粗削りの出来。まだバンドの始まりといった感じで初心者は飛ばしてOKだと思います。
次の『Red Rose Speedway』(全米1位)は、ボーナストラックも含め、かなりおすすめできるアルバムとなります。
というのも、この『Red Rose Speedway』はもともと、ボーナストラックとして「アーカイヴ・コレクション」に収録されている数曲が収録された2枚組として発表されるはずだったんです。
レコード会社の意向もあり、シングルヒットを飛ばした「Live And Let Die」(全米2位:映画007/死ぬのは奴らだ 挿入歌)や「Mary Had A Little Lamb」(ポールらしいバラード)、「Hi Hi Hi」(歌詞がヤバめな超ゴキゲンロックチューン!)といった曲が収録されずに1枚のアルバムとして発売されたのは当時としては実に勿体なかったですね。
今ではこれらの曲が2枚目にリマスター収録された「アーカイヴ・コレクション」(2CDスペシャル・エディション)として発売されているので、より充実した盤となっています。
「Wings」というバンド形態となったこともあって、全体的にややロックな装いですが、リンダに捧げるバラードの名曲「My Love」(全米1位)収録。
「Little Lamb Dragonfly」といったポールらしい美しい小品が華を添え(と言っても6分を超える作品)、ラストはお得意の11分ものメドレーで聴かせて1枚としてのアルバムは幕を閉じます。
2CDスペシャル・エディションからは、デニーがヴォーカルをとる「I Lie Around」「I Would Only Smile」は、70年代当時らしいパワーポップの佳曲もなかなかいい出来ですよ。
Wingsの怒涛の勢いはここから始まったと言っても過言ではありません。
3.Band On The Run(バンド・オン・ザ・ラン)
ソロ後、最高傑作とも評される『Band On The Run』(全英1位、全米1位)は当然外せない一枚です。
このアルバムは、ビートルズ解散後ポールが最も商業的に成功したアルバムであり、ようやくポールへの批評家による評価の風向きが変わったアルバムです。
当時喧嘩し反発しあっていたジョン・レノンも高評価しているほどです。
『Band On The Run』は、メンバーの脱退、デモテープの盗難など制作に困難を極めたアルバムでもあり、しかも発売当初から大ヒットとなったわけではありませんでした。
アルバム発売後かなり経過してから「Jet」がシングル化されたことが功を奏し、チャート1位に到達したのは、アルバム発売から実に4か月後です。
その後タイトルトラック「Band On The Run」もシングル化され、その効果で再度じわじわと1位に上り詰め、ビッグヒット及びロングセラーとなりました。
タイトルトラック「Band On The Run」は、実にポールらしい名曲で、実に3つの曲調が目まぐるしく変わる展開や、「逃走中のバンド」(ビートルズを想起させる)というウィットの利いた曲名など、ポールの才能がいかんなく発揮されています。
この1曲だけでも聴く価値がある、と思わせるほどの説得力があり、ひょっとするとポールのソロ作品の中で最も「ポールらしい作品」と言えるかもしれませんね。
その他にもライヴで人気が高い「Mrs Vandebilt」「Nineteen Hundred And Eighty Five」もロックしていて、ウイングスらしくて好きな一枚ですね。
4.Wings Over America(ウィングス・オーバー・アメリカ)
そしてこのアルバムも絶対に外せません。
全28曲入り2枚組ライヴアルバムの『Wings Over America』(全米1位)!!!
アルバム『Venus And Mars』を経て、最新の『Wings at the Speed of Sound』まで(いずれもレベルの高いアルバムでともに全米1位)、ポールソロやウィングスの作品はもちろん、ビートルズナンバー5曲を収めた大作であり、ポールとウィングスの絶頂期を記録した大名盤。
ビートルズからポールのソロ作品に入っていく場合、ビートルズナンバーが収録されているこの『Wings Over America』から入っていくのもありです。
アルバムの最初を飾るのは「Venus And Mars~Rock Show~Jet」のメドレー。
これが実にライヴの幕開けにピッタリで、スタジオアルバムとは違い、ポールがノリノリでシャウトする様が「ライヴ!!」であり、このアルバムに邦題「ウィングスU.S.A.ライヴ!!」と「!」マーク付きで名付けたくなる理由もわかります。
高揚感と熱狂と共に、どんどん曲が披露されていき、観客が魅了されていく様が再生され、次第にアルバムを聴く僕らもそれに同化していく。
なんと幸せな時間なんだろう。。。
そして初期の名作「Maybe I’m Amazed」から「Call Me Back Again」を挟んでのビートルズナンバー「Lady Madonna」で、まず最初の絶頂を迎えます。
この曲をライヴで聴けるとは!!!という観客の嬉しさが伝わってきますね。(僕も初めて聞いたときは感動しました。)
そしてそのまま、まさかの「The Long And Winding Road」が静かに流れてきたときには・・・。
うぉぉぉ!!
全盛期のポールの声で歌う「ザ・ロングアンドワインディングロード」が記録されたアルバムがあったなんて!!(というのが初めてアルバムを知って聴いたときの感想です。)
もうね・・・最高すぎて涙が出ます。
ライヴ映えする「Live And Let Die」や「Band On The Run」「Hi Hi Hi」のライヴならではの疾走感!
「Richard Cory」から始まるアコースティックコーナーでは、ビートルズ時代の「I’ve Just Seen A Face」も披露され、またもや絶頂に。このコーナーは「アンプラグド」の走りです。
デニー・レインが歌うムーディブルース時代のNo.1ヒット「Go Now」の収録も嬉しいですね。
ライヴ用にアレンジされた「My Love」のカッコ良さで卒倒。
涙腺がまた緩んだと思ったら「Listen To What The Man Said」「Silly Love Songs」でまたノリノリに。
息もつかせぬあっと言う間の2枚組ライヴ。
70年代のライヴアルバムの最高峰とも言われている『Wings Over America』。
この時期のポールがボーカル絶頂期だと思いますね。この歴史的名盤は絶対に外せません。
先述のとおり『Venus And Mars』『Wings at the Speed of Sound』からの楽曲が結構入っているので、どちらも結局外せないアルバムとも言えますが、正直ライヴでの歌い方の方がグッとくるので、『Wings Over America』を聴いてから欲しくなれば揃えるでOKだと思います。
映画『ROCK SHOW』は手に入れておくべし!
ちなみにこのポール&ウイングス絶頂期のライヴは映像でも記録されていて、『ROCK SHOW』(ロックショウ)がブルーレイで発売されています。
限定販売だったので即売切れとなってしまいましたが、サラウンド音声もあって内容は最高ですし、この時期の動くポールが見られるだけでも貴重なので、中古でも手に入れておくことをオススメします!
ちょい長くなりすぎました・・・ポールのキャリアは長く、かつ凄すぎるので次回、第二弾をお届けします。