スマホより高音質で音楽聴きたいな~。
とソニーから発売になったウォークマン「NW-A306/307」を考える人は多いようです。
ですが・・・やめておいた方がいいですよ!
ども、人生にゆとりと幸福を創るFPゆとらです。
「NW-A306/307」はオーディオ雑誌HiViでもDAPランキング上位にいまだ選出されるモデル。
なのになんで?
その理由をこの記事で説明したいと思います。
以前から「軽くて音質良いDAPあれば便利だな~」と考えていた僕は、悩んだ挙句ソニーウォークマン「NW-A306」を購入しました。
初めて購入するDAPに7万も8万は冒険すぎると思い、本体容量は気にせず「NW-A306」(ブルー)に落ち着いたのですが。
ハッキリ言います。
失敗しました!
さほど音キチでもない僕ですら、「NW-A306」の音質には失望してしまったのです。
イヤホン(ヘッドホンも)やイコライザ等変更したりして音質を確かめてみましたが・・・
う~ん・・・どうしても納得いかない音。ベースとなる音質に問題があるような。
というわけで「NW-A306」の正直な音質レビューをお伝えします。
NW-A306/307の音質って良いの?悪いの?・・・
ソニーのHPには
NW-A300 series 音楽専用機だけの沼音の世界へ。
とあります。
オーディオ好きな僕としては
おおっ!いかにも自信ありげで期待大!
ってな感じで、胸を躍らせていました。
さまざまなブログやレビューでも音質についてはおおむね高評価だったし。。。
なんせソニー自身が「沼音」と言っているのです!
オーディオ沼にはめるほど、音質に自信があるってこと??
「沼音」ってそういうことですよね?
「NW-A306」は、ストリーミング音源対応モデルとしては安く、お値段約4万円。
DAPとしては安いとしても、一般的には「スマホで十分」な中、そこそこのお値段です。
ある程度、音質も期待してしまうのは当然と言えば当然?いや…期待しちゃダメなのか?
さておき音源は同じ曲で以下3つを用意して比較しました。いたってフツーの比較対象だと思います。
圧縮音源:AAC 256kbps VBR(itunesの標準音質です)
CD相当:44.1kHz/16bit(flacファイル)
ハイレゾ:96kHz/24bit (flacファイル)
「NW-A300シリーズ」の機能として
『DSEE Ultimate』(全ての音源をハイレゾ192kHz/32bit相当まで拡張する機能)はオン
『Clear Audio+』『バイナルプロセッサー』はオン・オフを切り替え、
一旦イコライザは使用せず「ソースダイレクト」で、その後はイコライザーを好みにいじって試してみました。
なお、イヤホンは有線タイプでワイヤレスタイプは確認していません。(基本的には有線が音質で有利ですし、音質重視でDAPを考えていますので。)
さて、どうか・・・?
しばらく聴いてみて、どうあがいても期待した音質には届かず。
以下、具体的に述べます。
NW-A306/307の音質は何が物足りないのか?
「NW-A300シリーズ」の音質は、確かに「スマホよりは高音質」と言えるかもしれません。
『S-MASTER HX』デジタルアンプのおかげか「細かい音がクリア」に聴こえます。
カリカリではなく、サ行の刺さりもないのは好感が持てますね。
いわゆるドンシャリではないですね。
音の分離も必要十分とは言えそう。
けど・・・なんか音が薄っぺらく、聴いていて楽しくな~い!
躍動感とか音の艶みたいなものが感じられない。。。
音はクリアで綺麗なんだけど、約4万円という値段を考えると立体感や音の広がりがもっと欲しいし、土台となる低音はかなり物足りないと感じます。
なんかね・・・出てくる音にパワーがないんだよなぁ。
いかにもパワー不足。
音楽専用機ならもっと深みある「沈み込むような低域とキレのある低域」をある程度両立させる余裕が欲しかったです。(重低音という意味ではなく、質の良い低音という意味合いです。)
「質の良い低域」に支えられてこそ「美しい高域」も表現できるわけなので。。。
この点、イコライザーを工夫してどうにかなるようなレベルでは全くありませんでした。
AZLA、ゼンハイザー、Final、CCR、オーディオテクニカ・・・
イヤホンやヘッドホンを変えても概ね印象は同じでしたので、素の音質なんでしょう。
さすがにハイレゾ音源はそれなりに聴かせますが、ハイレゾだからある程度の音質は当たり前なわけで。
そう・・・全体的に音がこじんまり、パワーが無くさっぱりしていて躍動感が足りていない感じ。
音楽を聴いていてもあまり楽しくない。高揚感が湧いてこないのです。
これは「好み」の問題以前の、基本的な音質の部分に問題あり、と感じました。
もともと高音質なハイレゾ音源や『DSEE Ultimate』などの機能頼りで、ごまかしちゃってるというか・・・。
音質に期待して買うとコケるかも。
もちろん、これを「クリアで透明感のある音」とか「フラットで美しい音」と表現するかどうかは、その人の感性によるかもしれないけど。
購入前まで
生音に近く、声にゾクゾクした。
なんてセリフが飛び出すのでは?と期待していたのだけど全く違いまして。
ハイレゾであろうが圧縮音源であろうが、イヤホンを変えようが、専用機なら「おっ、これは音がイイ!」と思わせてほしい。
エージング不足があるとしても、ちょっとひどい印象です。
それなりのDAPやオーディオ製品は、エージング不足でも「おっ!」と思わせる煌めきがどこかにあるのです。
そういう意味では「NW-A300シリーズ」は、多機能なんだけど音質的には面白みにかける音で、やや残念と言わざるを得ないです。
「スマホの音の延長線上」という言葉が非常にしっくり来ます。
想像の域を出てない・・・どころか、DAP買うほどの意味は乏しいとまで感じちゃいました。
個人的には少なくともNW-A306/307でiphoneの音質から大きくは飛躍しなかったです。
なんで評判が高いのか、ちょっと疑問を感じましたね。(多機能だから、というのはあると思うけど。)
自分が信じて買った商品だから、とか他の評判が良い、とか広告で見て凄そう、というバイアスがかかってないでしょうか・・・。
NW-A306/307総評
音はキレイなんだけど、それだけ。音源本来の躍動感を表現できていないと思う。。。
NW-A306/307の音質で良いところは?
と、ここまで酷評してしまいましたが「NW-A306」には音質的に良い部分は無いのでしょうか?
んーっと・・・(考えた末に)
「全体的に変に強調した音が無い」のが良い所だと思います!
それは圧縮音源やストリーミング音源をハイレゾ相当で聴ける『DSEE Ultimate』でも顕著です。
オンにしても変に高域・低域を強調せず、音が滑らかになります。(そもそも強調する機能ではありません。)
この点を「良い音」とするかどうかは聞く人によると思いますが、比較的モニター調かつナチュラルな音が好きな人には好まれても不思議はないかもです。
なので作業をしながらBGM的に音楽を聴く場合、つまり「ながら聴き」には意外と合うかもしれません。
(『Clear Audio+』は、やや作った音になる印象。ビギナーにはクリアに聴こえていいかもしれない。。。)
全体として「素直な音」と言えなくはないので、ハイレゾ音源を多く持っている方や、メインの聴き方がストリーミングでハイレゾ音源という方に支持されているような気がします。
僕としては音質的にもっと底上げをしてほしいです!
逆にストリーミング対応でも「音楽と真剣に向き合いたい」という向きには、バランス接続対応のカジュアルDAP(例えばAstell&Kernが開発支援している『ACTIVO P1』とか)の方が多少値段は高くても、満足度が高く、結果コスパも高いと思います。
DAPのような趣味性の高い商品は「一生モノ」を選ぶつもりで購入すると後悔が少ないです!(自分も反省です。)
ストリーミングにこだわらなければ、Shanlling(シャンリン)の『M0Pro』や『M1s』の方が値段も安いし、専用機として音質が磨かれているから、ぜひ比べてみてほしいですね。
結局僕はシャンリンの『M0Pro』に乗り換えることになりまして、音には非常に満足していますが、それゆえもっと上級機の音も気になっています。(これが音沼ってことでしょ!?)
NW-A306/307はハイレゾ音源メインでナチュラルな音が好き、または「ながら聴き」メインならオススメできる・・・かも。
NW-A306/307で他に残念なところは?
他に「NW-A300」シリーズの残念なところは、パンチが弱く(出力が弱く)、音に元気がないこと、そして「バランス接続」に未対応なところです。
良く言えば「ナチュラル」、悪く言えば「面白くない音」、ということになります。
かと言って「モニター的」な音でもないです。(そもそも原音に忠実と言ったって、我々はその原音を聞いたことがないハズ。)
「NW-A306/307」は、出力など詳細なスペックは未公表です。
聞いてみた印象だと、僕は駆動力が足りていないように思えてなりません。(そのような音の造り??)
「バランス接続」「アンバランス接続」に関しては、好みもあるかもしれませんが、これぐらいの低~中価格帯のDAPだと「バランス接続」による音質向上のメリットはかなり大きいと思います。
また「バランス接続対応イヤホン」を既にお持ちで、分離感があって駆動力の高い音を楽しみたい方もいると思います。
「アンバランス接続」でも満足させられる自信がある!!
みたいな(英国コードエレクトロニクス社のような)こだわりがあるDAPなら別になりますが。。。
NW-A306/307の音質以外での美点・欠点は?
「NW-A306/307」の(音質以外での)良い点は何個かあります。
- 見た目がスマート
- コンパクトで軽い
- AndroidOSなので、アプリをダウンロードして使える
- 物理ボタン(早送り・停止・音量調整など)が側面についていて便利
- ストリーミング対応
- バッテリーの持ちが比較的良い(連続再生時間が長い)
要は、約4万円で買えるDAPとしては軽く、多機能です。
一方、良くない点として
- 動きがモッサリ(スマホよりかなり遅い!)
- MicroSDカードの読み込みに時間がかかる
- 起動に時間がかかる(正直遅い!)
- ソニー純正ソフト「Music Center for PC」の使い勝手が悪すぎる
モッサリしているのに、さらに読み込みにも時間がかかるという・・・。
MicroSDカードの読み込みは、おそらく読者様が予想する以上に遅いです。
この辺りも僕が気になった点です。
音質に満足できれば、多少は目がつぶれたのかもしれないんですが。。。
まとめ~NW-A306/307は音質重視なら選択外です。。。
購入したいと思っていた方には少々ショッキングなレビューだったかもしれませんが、1ユーザーとして正直に感想を書いたつもりです。
いやだって・・・僕だって最初、期待して買ったんですから(笑)。
せっかく何万円も出してDAPを買うんだったら、僕は「誰が聴いてもスマホより間違いなく良い音」じゃなきゃ意味がないと思います。たとえ多機能でも。
だけど「NW-A306/307」は、
このレベルの音ならスマホで十分では・・・。
と感じてしまう音質でした。
そういう意味では「NW-A306/307」は4万円出す価値まではないと思いました。
反対意見覚悟で言いますが・・・
ある程度音質良いモデルが欲しいなら、このレベルで「音がいい」とは言ってはダメだと思うのです。
もちろん「NW-A306/307」が「悪い音」と言っているわけではなく、スマホよりは良い音なんだと思いますが。
ただ、残念ながら宣伝しているほど「沼音」ではないと思いますし、実際購入した人でそう思った方も多いのではないでしょうか。
物価高もあって、同価格帯において、もう日本メーカーは中国や韓国メーカーが本気で作るDAPには、しばらくかなわないんじゃないかと残念な気持ちにもなりました。
すごく高い値段であれば、日本メーカーも良いものを出せると思っているのですが。
…だけど、ストリーミングで音楽を聴く場合、快適な操作かつ良い音で聴けるDAPは限られますし、値段もそこそこしますよね。
そんな中、ジャパニーズブランドであるソニーが、エントリークラスのNW-A306/307でストリーミング対応、というのは本気で素晴らしいと思いました。そして期待半分・応援半分で購入したわけなんですが。
※実際、パイオニア・オンキヨーはDAPから撤退し、デノンやヤマハといった大手メーカーはコンパクトなDAPに参入すらしていません。
なので、気軽にストリーミングで良い音を聴きたい、BGM的にいつも音楽と一緒にいたいというなら選択肢に入れてもいいと思います。
でも、音質で選ぶなら他のDAPの方が正直後悔はしないと思います。
エントリークラスの音質が良いと、更に上のグレードはもっと音が良いと想像してもらえるわけですから、トータルで利益回収すればいいじゃないか!もっと頑張ってくれソニー!!
「NW-A306/307」は、あくまでエントリークラス=「カジュアルなウォークマン」なんだと思います。
「音楽に真剣に向き合いたい」なら、もっと沈み込むような低域、ノイズが少なく立体感のある音場、キラキラして美しく澄んだ高域、熱く実在感のあるボーカルなど、音に躍動感があり「おっ!」と思わせる音質的魅力を持ったDAPを選んだ方が幸せになれると思います。
カジュアルなDAPにもそんなモデルはあります。
イヤホンだって探せば激安でも良い音を鳴らしてくれるものがあるので、コスパ良く音楽を楽しんでほしいと思います。
中華イヤホンも音質的に決してバカにできないです。
参考までに僕の愛用イヤホンですが、究極のエントリーイヤホンと言われる『QDC Superior』です。素晴らしい音です。
これとシャンリン『M0Pro』(バランス接続)で音沼にどっぷり浸かっております。
NW-A306/307でガックリきたなら、よければSHANLING M0Pro+QDC Superior(バランス接続)試してみてください。
好きな音楽を良い音で聴くと、脳が自然と喜ぶもの。
そうすると、脳の疲れが癒されるのがわかります。
誰しも多少は経験したことがあるんじゃないかと思います。
今だとハイレゾとかの音楽療法ってのがあるくらいで。(ハイパーソニック?とか言ったと思います。)
逆に「疲れる音」っていうのも、経験したことはありませんか?
これはやっぱり質の悪い圧縮音源やスピーカー、イヤホン、プレーヤー、アンプで起こってしまいます。
この辺りが本当に音質が良いかどうか?の聴き分けポイントかもしれませんね。
ぜひ「癒される良い音」を出してくれるDAPで音楽を聴いて、脳にゆとりをつくって、明日への活力に繋げてください!
自分で自分を幸せにする。これって工夫ひとつでできることなんです。
良い音にはそんな効果も期待できるので、せっかくDAPを買うなら「自分を幸せにする」音を買ってほしいと願っています。