ども、人生にゆとりと幸福を創るFPゆとらです。
音楽数珠つなぎ、今回はブライアン・ウィルソン(ビーチボーイズ)繋がりで、ブルース・ジョンストンを紹介します。
実績十分なんですが、職人気質で自身の作品自体があまり多くなく、やや地味で目立たない存在のブルース・ジョンストン。
ですがビーチボーイズ好きなら、ブルース・ジョンストンのソロ時代の音楽も気に入ると思いますし、絶対に聴く価値ありですよ。
忙しくてなかなかゆっくり音楽を聴く時間がない方も多いと思いますので、エバーグリーンな音楽だけをお伝えするように心がけています。
ブルース・ジョンストンとは?
ブルース・ジョンストンは、ザ・ビーチボーイズ現役メンバーの一人で、古くから長く活動するミュージシャンです。
サーフィンミュージックの印象も強いザ・ビーチボーイズの中で、本当にサーファーなのは実はデニスとブルースだけ。
ブルースはソングライティングに定評があり、プロデューサーとしての能力も確かであることは、ビーチボーイズでのプロデュースや、以下アルバム群で証明されています。
フィル・スペクターとも親交があるとか。
ビーチボーイズとの関係としては、中心メンバーであるブライアン・ウィルソンが作曲・プロデュースに専念したいため、ライヴ活動を降りる際に、グレン・キャンベルに続きサポートを任されたのがはじまりです。
主にブライアンの代役としてビーチボーイズに抜擢され、正式メンバーとなりました。
ブライアン同様、高音の美しいファルセットで聴かせる歌声は、ビーチボーイズの中でもブライアンの次に高い音が出せるのではないでしょうか。
そして楽器もマルチにこなす天才ミュージシャンという顔も持っています。
そんなブルース・ジョンストンなので、実はビーチボーイズ加入前からバリバリ一線級の活躍をしてきたのであすが、なぜかマイナーなんです。
山下達郎も愛する「ブルース&テリー」
特にテリー・メルチャー(ドリス・デイの息子で、ザ・バーズのプロデューサーとしても有名)と組んだ「ブルース&テリー」のベスト盤『The Best Of Bruce & Terry』(ベスト・オヴ・ブルース&テリー)は色あせない音楽ファンには必聴のマストアイテムです。
若き日のブルース・ジョンストンとテリー・メルチャーの才能が炸裂しまくった激烈サウンド!
本家ビーチボーイズに優るとも劣らないレベルの高い楽曲満載ですので、絶対に聴いてみてほしいです。
ビーチボーイズのカバー「Hawaii」から始まり、2曲目「Summer Means Fun」で、ブルースの透き通るようなファルセットと疾走感がめちゃくちゃ気持ちいい!
夏の暑さと海を想像させる最高のサマーサウンドが早くも炸裂します。
あ~!!もう買って良かった!
と思えるナイスなベスト盤で思わず涙腺が緩みます。紙ジャケ版はリマスターされていて音もいいですね。
その後も捨て曲なしで飽きさせません。
5曲目「Don’t Run Away」は、あの山下達郎氏が、あまりの素晴らしさにオマージュ曲「Only With You」(Don’t Run Awayそっくり!)を作ってしまったほどの名曲なんです。
さらにブルースがソロでもセルフカバーした「Thank You Baby」のブルース&テリーヴァージョンや、ビーチボーイズがビートルズの「Ticket To Ride」に代わり全米No.1を奪い取った「Help Me Rhonda」のカバーなど。
さらにさらにバリー・マン&シンシア・ワイル作の名曲「Girl, It’s Alright Now」や、この時期に欠かせないインスト曲もちりばめながら、このオシャレ感…素晴らしいとしか言いようがないです!!
ラスト2曲「Look Who’s Laughing Now」「Here Comes Summer」は、ビーチボーイズ顔負けの美しいハーモニーワークやファルセットを聴かせる極上のサマーソングと、まぁこんな感じです。
そしてラストしばらくの静寂後ちょっとしたオマケが・・・あとは買ってのお楽しみです。
まだ聴いたことのないビーチボーイズファン、またはサーフィン・ホットロッド系の音楽を愛する方は、絶対に絶対に!手に取って聴いてほしいアイテムが「The Best Of Bruce & Terry」(ザ・ベスト・オブ・ブルース・アンド・テリー)であります!!
強く強くおすすめいたします。
ザ・ビーチボーイズの極上コピーにとどまらない「The Rip Chords(ザ・リップ・コーズ)」
ブルース・ジョンストンがビーチボーイズの正式メンバーになった、というのも当然の話です。
というのは、ブルースがテリーと共にプロデュースした「The Rip Chords(リップ・コーズ)」のアルバムを聴けばそれがハッキリわかるからです。
当時流行ったサーフィン~ホットロッド路線のアーティストで、現在までメインストリームに名を残すのは、もはや「ビーチボーイズ」だけと言っても過言ではありませんが、いやいやブルース&テリープロデュースのThe Rip Chords(ザ・リップ・コーズ)は、素晴らしい出来なんです。
『Hey Little Cobra』(ヘイ・リトル・コブラ)『Three Window Coupe』(スリー・ウィンドウ・クーペ)の2枚のアルバムはどちらも当時の風合いを色濃く感じさせる胸キュンアルバムに仕上がっております。
ビーチボーイズはもちろん、ブライアン・ウィルソンが関わっていた「ジャン&ディーン」のヒット曲「Surf City」を本家にも勝るとも劣らないコーラスワークでカバー、オリジナルの見事なホットロッドソングも違和感なく聴かせてくれます。
おおおっ~~!
と、思わずニヤけてしまう出来栄えとなっていますよ。
こりゃ本家ビーチボーイズからブルースにお声がかかるのも納得、というわけなんです。
地味だが素晴らしいブルース・ジョンストンのソロアルバム「Going Public」
ブルース・ジョンストンは、ビーチボーイズに在籍中(一度抜け、また復帰したりしている)にも「Disney Girl(1957)」など名曲を生み出してはいましたが、ソロ活動でも印象深い素晴らしい名曲を残しています。
その代表的な曲が「I Write The Songs」です。
そしてその「I Write The Songs」が収録された『Going Public(歌の贈りもの)』は、実にブルースらしい佳曲が並ぶ素晴らしいアルバムです。
「I Write The Songs」は、バリー・マニロウに提供した曲で、グラミー賞最優秀楽曲賞を受賞し、全米No.1にもなっている素晴らしいバラード曲です。
ブルースらしいメランコリックな曲ですが、僕個人的にはバリーが歌う「I Write The Songs」よりも、ブルースがセルフカバーしているピアノ主体のバージョンの方が曲の雰囲気に合っていて好きですね。
もちろん曲自体が素晴らしく、どちらも素敵なんですが、より想いが乗っているのは作者であるブルースのバージョンではないかと思うのですが・・・あなたも聴いてみて判断してみてほしいです。
アルバム『Going Public(歌の贈りもの)』には前述「I Write The Songs」はもちろん、ビーチボーイズ時代の名曲「Deirdre」「Disney Girl」、ブルース&テリー時代の「Thank You Baby」のセルフカバー、その他「Won’t Somebody Dance With Me」「Rock And Roll Survivor」など、絶頂期のブルース・ジョンストンが堪能できる、数少ない美メロ揃いで捨て曲なしの素晴らしいアルバムとなっています。
ブルース・ジョンストンのソロアルバムということで、あまり聴かれていないのが惜しい隠れた名盤とも言える作品です。
ビーチボーイズファンなら絶対に聴いて損はないと思うので、見つけたら紙ジャケのリマスター版をおすすめします。
その他ソロ名義の「Surfin’ ‘Round The World」も当時のサーフィン路線で面白いアルバムですが、当時らしくインスト曲が多く、余程のファン以外はやはり上記の『Going Public(歌の贈りもの)』『The Best Of Bruce & Terry』(ベスト・オヴ・ブルース&テリー)とザ・リップ・コーズ関連を押さえておけばOKです。
まとめ
ブルース・ジョンストンは、その後「California Music」として活動したり、プロデュース業をしたり、実に多才ぶりを発揮しています。
ビートルズのジョンやポールに、ビーチボーイズの「Pet Sounds」を真っ先に聴かせたのは実はブルースだったりと、地味に思われがちですが、ナイスガイで多才なんです。
なので、逆にブルース作曲の曲があまり残されていないのが物凄く惜しい!
ソングライターとしてももっと成功できたのに!と思うのは僕だけではないと思います。
廃盤(すでになっていますが…)になる前に、上記のブルース・ジョンストンのアルバムは手に入れておいといいですよ。
コアでマニアックな人気のアーティスト作品はすぐに入手困難になりますし、サブスクにもなかったりするので。
実際、リマスターされた紙ジャケット盤『The Best Of Bruce & Terry』(表紙ジャケも異なる)は一時期かなりプレミアがついていました。
ちなみにブルース・ジョンストンの曲を聴くと、なんかしっとりと「哀愁」を感じることがあります。
じっくり秋の夜長にブルースのソロ作品を聴くと、しみじみ「音楽っていいな・・・」と感じることができる、そんな豊かさを備えた音楽を作るのがブルース・ジョンストンです。
音楽に関しては、メジャーだから良いとかマイナーだから良くない、ということは決してありません。
むしろマイナーな知られざる名曲は無数に存在しています。
僕はいつもそんなエバーグリーンな曲を探しています。
忙しい毎日に、聞きたい音楽はエバーグリーンで素敵な音楽であってほしいからです。
では、数珠つなぎでエバーグリーンな楽曲たちにめぐり合うことを期待して。