アクサ生命のユニットリンクという保険を勧められたんだけど、どう思いますか?加入しても問題ないでしょうか?
ども、人生にゆとりと幸福を創るFPゆとらです。
僕はFPという職業柄、保険についても言及することが多いです。
質問者の意図は、大きく以下2つに分かれるようです。
- ユニットリンクという商品自体が良いのかどうか?
- そもそもユニットリンクを含む「変額保険」より、つみたてNISAやiDeCo、投信にした方がいいんじゃないか?
ということ。
さぁ僕の答えは・・・「ユニットリンクも有りですよ。」になります。
ただし条件もあります。解説していきます。
変額保険は是か非か?
まずアクサ生命のユニットリンクがどうこうと言うよりも、最近の世の中の流れとして「保険は掛け捨てでいい」「○○保険はいらない」と、保険全般的に否定論が多いですよね。
その一つとして「保険で積立はするな」というのもあります。
要は、保険だと「保険関係費用」が取られ、純粋に積立になっていないから。
積立をするなら保険機能が無い「投資信託」等でしろ、という論調で、しごくごもっともです。
この風潮は以前からありましたが、やや加速気味なのは「FIRE(早期経済的独立)」、いわゆる「アーリーリタイア」の流れがアメリカから来たことです。
この後、雨後の筍のようにFIREやお金を題材にした本が乱売されていることからもFIREに関する興味が高いのがわかります。
ベストセラー本『【改訂版】お金の大学』でも、保険についてはかなり否定的です。(この本の考え方は大いに参考になるし、おおむね賛同していますが・・・)
このFIREの考え方に伴い、日々の生活はできるだけ切り詰め、無駄な出費をしない。
そして、NISAを使って最大限投資することによって、元本6250万円をできるだけ早く手に入れる。
そしてその6250万円を利息4%がつく商品に預け入れることによって、利息として毎年250万円を生み出し、それを生活費に当てれば、元本6250万円は取り崩さずに、働かずに生活していくことが可能になる、というわけです。
う~ん・・・わかる、わかるんですが、
物価上昇や家族のことはあまり考慮していないんでしょうかね・・・?
この流れから、若い人が盲目的に信じがちな考え方が、
- 投資信託の信託報酬(手数料)は極限まで低いものを選べ
- 保険は基本的には無駄な出費(確率論や国の保障制度から勿体ない、と判断)
となっています。
個人的には僕はFIREは賛成だし、保険より投資の方が好きですが、人によって合う合わないはあります。
本を読んだとしても、自分の頭で考えることができ、金融リテラシーがそれなりにある人でないと行動に移せないと思いますね。
それにFIREの考え方に共感し、行動に移せるぐらいリテラシーが高いのに、盲目的に「インデックス投信」にお金を預けている人が多すぎるように感じています。
「保険料を節約して投資に回す」ならば、それなりに投資先も吟味しないといけないはずなのですが・・・なぜか自分で調べもせず、本の内容や口コミを鵜呑みにしているように思います。
これは大いなる矛盾点ですね。
さて、そうしてみんなこぞって「インデックス投信」(=信託報酬が低い)に、新NISA制度を使って投資するようになっています。
NISA制度の上限額を、まるまる投資に回している人も結構いるようですね。
別にこれ自体はいいんですが、盲目的に「信託報酬が高い投信は悪」とか「保険は悪」と決めつけるのは、情報に踊らされ過ぎではないでしょうか?
一方的なデータだけ見て、キチンと自分で調べましたか?
信託報酬(手数料)が高くても、インデックス投信より実績が出ている「アクティブ投信」は存在しますし、そういったアクティブ投信でしか到達しえないような利益率も無いわけではないです。
保険についても、【万が一】が仮に起こってしまって、保険金を受け取った人に「保険に入っていなくても良かった」という人はいません。
今、五体満足で健康だからこそ「保険に入らなくていい」と言えているだけなんです。
「保険は悪」は言いすぎかな。医療保険はイラナイけど。
【保険もあくまで金融商品のひとつ】と捉えると、置かれている状況や立場、人によって、つまり必要に応じて加入の判断をすればいいだけのことなんです。
その判断基準も本で示してくれていますが、盲目的に信じるのではなく、もっとプロや実際に保険を使った人などに「経験談」などを聞き、自分で考えたうえで判断したほうがいいです。
僕は若くて健康で独身の方だったら、基本的に保険は不要だと思います。
ですが、変額保険については早くから加入してもいいと思っていますし、僕自身加入しています。
変額保険以外に、自分で投資先をキチンを調べ投資する、という行動ができる人はいいのですが、多くの日本人はまだまだリテラシーが高くなく、多少勉強したとしても以下のように考えてしまう傾向にあります。
- どこに投資すればよいか、わからない。
- 損するのがイヤだ。怖い。
- もっと良い投資先があるのではないか?どうせやるなら一番良いものを教えてほしい。
このように考えている人は、残念ながら一生そのような思考のまま実行に移せず、かつ成長できません。
なぜなら「すべて他力本願」だからです。
そして「損したくない」とか「元本保証」思考は、今すぐ手放した方がいいです。
リスクを取れない人に、リターンは決して訪れないからです。
そのような方に共通するのは、努力して情報を集める力が少なく、よって自分で判断する力、そして決断力が残念ながら低いということです。
でも現状を理解したのなら、これからそれらの力を上げていくことを目標とすればいいのです。
そもそも人生って何があるかわからない「保証のない」もの
なので『変化に対応していく』ということが大切ですし、徐々にでもそのように切り替えていくことをおススメします。
そうとわかれば、変額保険をキッカケとして・・・というか、勧められて「良い」と思えるなら、無理にでも加入しておいた方がいいと僕は考えています。
どうせ自分でアレコレ調べるのが難しいのなら、変額保険は死亡保障が付いていて、万一元本割れしても
保険をかけていたのだから、大部分が手元に返ってきて(掛け捨てでなくて)良かった
と思えますし、そもそも【ドル・コスト平均法】で、それなりの投信(保険では「特別勘定」と言う。)に預けていれば、長期間で見れば利益が出る可能性が高いからです。
よって「変額保険は有り」(上記のような人向け)と考えて、僕自身若い頃に加入し、保障を持たせつつ、かなりの利益を出せています。。
また投資の入門編としても全然アリです。
それをキッカケにリテラシーを高め、知識が付いてきた頃に自分で選別をして投資をすればいいのです。
アクサ生命ユニットリンクは入ってよい?変額保険の中でベストかも?
さて、では変額保険の中でも「アクサ生命のユニットリンク」はどうなのか?
正直、変額保険の中では、ユニットリンクはベスト商品のひとつだと思います。
理由は、特別勘定(投信)の選定にこだわりを感じるからです。
中でも『世界株式プラス型』の、「キャピタル世界株式ファンド」の選定が素晴らしいです。
「キャピタル世界株式ファンド」は、日本人には馴染みが薄いかもしれませんが、アクティブ投信でもトップクラスの投信です。
キャピタル・インターナショナルの公式HPにも載っているが、46年前から「キャピタル世界株式」に投資し続けていれば、インデックスに比べて、ドルベースで約7倍にも資産が膨れ上がっています。
資産が7倍になっているどころではないです。
インデックス型の増え方に比べて7倍なんです。
そもそも世界株のインデックスとしてよく知られる「MSCI指数」。
このMSCI指数をベンチマークとする投信も多いですが、何の略だか考えたことはありますか?
MSはモルガン・スタンレー、CIはキャピタル・インターナショナルの略なんです。
世界で通用する指数を作ってしまうほどのグループなんだが、ほら・・・調べられてないでしょう??
こういったアクティブ投信を、紹介されずに果たして自分で見つけることはできますか?
もちろん自分で調べることができる方、情報網をお持ちの方はできるでしょうが、ほとんどのケース、毎日医師がしいので無理だったりします。
だったらアクサ生命のユニットリンクで、この「世界株式プラス型」を選択し加入しておいたなら、長い目でみた場合、保険関係費用が引かれるとしても、かなりの利益が見込める可能性がある、というわけです。
ヘタをすると、猫も杓子も…のインデックス投信をするより利益が出ていてもおかしくないです。
そこまでではなくても、何よりそれまでに万が一があれば死亡保障も付いていますからね。
ユニットリンクの「世界株式プラス型」は手数料低め
しかも細かい点で見ると、この「キャピタル世界株式ファンド」を証券会社で購入した場合の信託報酬は約1.7%。
対して、ユニットリンクでの「世界株式プラス型」としての信託報酬は約0.81%です。(※)
- アクサ生命ユニットリンクにおいては、2021年秋にファンド名が変わり、信託報酬がさらに下がる見込み。
【保険】という性質上、長く保有する契約者が多いことから、信託報酬を抑えてくれており、キャピタルとアクサ生命がWIN-WINの関係を保っていると考えられます。
もちろんユニットリンクは他に保険関係費が引かれるので、純粋な投資と考えると保険関係費がムダに思えるかもしれませんが、上記のようなメリットも実は存在するのです。
またアクサ生命やソニー生命は早くから変額保険に取り組んでいて、過去の実績がHPで見られるようになっています。
保険会社や代理店だと実績が見られるソフトが入っているのですが、正直『世界株式プラス型』の実績・・・すごいことになっていますよ!
アクサIM・グローバルが運用する『外国株式プラス型』(こちらもアクティブ投信)や他の特別勘定も、実績はそこまで悪くないです。
その他の特別勘定の内容を見ても、ファンドの選定には力を入れているように見受けられるのがアクサ生命「ユニットリンク」です。
またアクサ生命のユニットリンクについては、ポイント還元というおまけが付く『クレジットカード払』ができるという点や、枠が残っている方なら「生命保険料控除」が使える点も、長期投資においては地味にメリットと言えます。(ライバル商品を持つソニー生命はクレカ払いができないのがデメリットです。)
アクサ生命「ユニットリンク」は変額保険商品の中でもベストに近い商品と言えそう。
ユニットリンクのデメリットは?
ユニットリンク含め変額保険には、「解約控除」という10年以内に解約すると解約返戻金違約金が差し引かれる仕組みがあります。
またお金が大きく増えたら所得税も支払う必要が出てくるかもしれません。
この点、利益が非課税になるNISAや、拠出金が課税の対象とならないiDeCoに比べ、デメリットと言えます。
ですが、そもそも投資信託や変額保険という商品は、ドルコスト平均法を使った「中~長期」を視野にいれた積立商品です。
変額保険の場合、この「解約控除」があるため、なかば強制的に10年以上の積立になることが多いわけで、これが長期的に見て、良かったりします。
というのも、日本人は投資しようと商品を購入はしても、すぐに手放してしまうというデータが出ています。
むしろインデックス投信のような「いつでもすぐに止められる」環境に置いて、最初こそ「FIREしてやるぞ!」と意気込んでいても、値下がりしマイナスがどんどん膨らむ状況においても、投資を継続できる自信はあるでしょうか?
実際、2024年株価が大暴落した際に解約されたNISA(投資信託)は数知れません。。。
複利効果がのぞめる投資信託や変額保険の真価は「20年以上たってから」だと思うので、その覚悟が無い方は手を出さない方がいいと思います。
投資信託も変額保険も、中長期での利益を見込むため「継続する」ことが、最も大切な要素となります。
その点を理解し、ドルコスト平均法や世界の人口増・GDPの推移などのデータを推測し、ある程度のリテラシーを持っていないと結局、長期投資に失敗する恐れが出てきます。
その点、保険は「強制投資」「強制貯蓄」的な意味合いがある分、ドルコスト平均法には持ってこいとも言えまるのです。
結果として「自分ではなかなかお金を貯められない」なんて人には、ユニットリンクのような変額保険がより良い選択となりえてしまうのです。
よって、アクサ生命のユニットリンクは、特に投資初心者にとって、インデックス投信で盲目的に運用するよりもむしろ悪くない選択だと思います。
本当に投資に詳しく、アーリーリタイヤするべく情報収集や節約の努力を惜しまない方には逆にNISAの方が向いていると言えるでしょう。
まとめ
さて、変額保険あるいはアクサ生命のユニットリンクについて、少しは参考になったでしょうか?
「周りの友人が言っているからインデックス投信がいい!」
「保険より投資信託の方がいいよ。保険関係費用がいらない分、その方が儲かるから。」
などという言葉は、ある意味間違ってはいません。
間違ってはいませんが、評判や口コミを盲目的に信じてしまった結果、2024年大暴落の際に手放した人も多かったのも事実です。
保険をバカにしてインデックス投信をしている友人より、ユニットリンクに加入している方が、長期的に見て、お金が増えていても全くおかしくはないです。
「保険だから」「アクティブ投信だから」ダメだ、ということでは決してないということです。
ちゃんと調べたうえで、あるいは結果的にユニットリンクに加入していた方が良い場合すらありますよ、ということです。
今、本を読む人はどんどん減っています。
だから本を読んで、情報を得た(行動をした)あなたは素晴らしいです。
だけど、残念ながら「その手法」がベストであるとは限らないです。
その手法もいいですが、一つ知ったのなら更に勉強してみましょう。
広い視点を持って、人生に「ゆとり」を生み出せばいいのです。
歩みを止めない事が、のちの「豊かさ」につながっていきますので。
補足:この記事書いてから「キャピタル世界株式ファンド」が更に売れてる・・・
ちなみに、「ユニットリンク」を保険代理店で勧められることが多いのか、この記事は僕のブログの中でもページビューが多いです。
アクサ生命「ユニットリンク」の評判は上々のようですが、普通にSBI証券とかで「キャピタル世界株式ファンド」も売れてきています。
楽天証券で見たら【TOP10】に入っていますね。
この記事書く前は全然だったのに・・・。
僕の記事や同じような記事を読んで購入した方も多いだろうし、また【NISA】に「キャピタル世界株式ファンド」が、数少ないアクティブ型ファンドの一つとして加わったことも影響していると思われます。
もしNISAで「キャピタル世界株式ファンド」を積み立てるなら、断然SBI証券がお得だと思いますので、最後に紹介して記事を終わりにしたいと思います。
No.1ネット証券ではじめよう!株デビューするならSBI証券情報が回るのがとても速い世の中です。しっかり考えて、自分で考えながらついていけたらいい思いができますよ。