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FiiO K11は初めてのヘッドホンアンプに最適か検証してみた

fiio k11

FiiOヘッドホンアンプ『K11』ってどうですか?

ヘッドホンアンプ『K11』で音の違いってわかりますか?

ども、人生にゆとりと幸福を創るFPゆとらです。

今回はFiiO(フィーオ)『K11』が気になっている方、初めてのヘッドホンアンプに『K11』を考えている方に音質や使い勝手などレビューをお届けします。

目次

FiiOのエントリーヘッドホンアンプ『K11』とは?

FiiO(フィーオ)の『K11』は、いわゆるエントリークラスに位置する据え置き型ヘッドホンアンプです。

つまりは入門機というわけなんですが、FiiOは実はこの『K11』で今までのヘッドホンアンプからデザインを大きく変えてきました。

このヘッドホンアンプらしからぬオシャレなデザインが『K11』の大きな特徴の一つでもあります。

僕はヘッドホンアンプには珍しい見やすいディスプレイや、アルミニウムの薄くておしゃれなデザインを魅力に感じて、『K11』に一目惚れして購入してしまいました。

色はブラック(黒)とシルバー(銀)の2色展開です。

僕はPCやデスクとの調和を考えてブラックを選びましたが、正解でした。

艶消しアルミニウムで質感もチープさはなく、ビルドクオリティは高いです。

『K11』の主な仕様・スペックは以下のとおりです。

『K11』の主な仕様・スペックと特徴

スクロールできます
DACチップCS43198
アンプテクノロジー左右独立構成ヘッドホンアンプ回路
デジタル入力USB Type C ×1系統
RCA同軸 ×1系統
TOS光 ×1系統
デジタル出力RCA同軸×1系統(RCA同軸入力と排他)
ヘッドホン出力4.4mmバランス ×1系統
6.35mmシングルエンド ×1系統
対応サンプリングレートUSB:PCM 384kHz/32bit, DSD 256 (Native)
RCA同軸:PCM 192kHz/24bit
TOS光:PCM 96kHz/24bit
ヘッドホン推奨インピーダンス16~300Ω
出力≥520mW (シングルエンド, 32Ω負荷時 / THD+N<1% / ハイゲイン時)
≥60mW (シングルエンド, 300Ω負荷時 / THD+N<1% / ハイゲイン時)

≥1400mW (バランス, 32Ω負荷時 / THD+N<1% / ハイゲイン時)
≥250mW (バランス, 300Ω負荷時 / THD+N<1% / ハイゲイン時)
周波数応答20Hz~50kHz
S/N比123dB以上 ( A-weighted)
THD+N0.00035%未満 (ライン出力時 / 1kHz / 10kΩ)
ノイズフロア2.8uV未満 (シングルエンド, A-weighted)
4.9uV未満 (バランス, A-weighted)
出力インピーダンス1.2Ω(シングルエンド, 32Ω負荷時)
2.4Ω(バランス, 32Ω負荷時)
寸法147x133x32.3mm
重量約407g
付属品ACアダプタ
電源ケーブル
USB Type A to Cケーブル
6.3mm to 3.5mm変換アダプタ
クイックスタートガイド
保証書

仕様を見て「おっ!」と思った人もいるかもしれませんが、エントリークラスのヘッドホンアンプとしては、意外と性能が優れていることが見て取れます。

大きな弱点がなく、左右独立構成ヘッドホンアンプ回路構成にしてはコンパクト。

「周波数応答」「S/N比」も良く、USB Type Cに対応し、もちろんバランス接続にも対応しています。

据え置きヘッドホンアンプだけあって、バランス接続時の出力も必要十分で、よほど鳴らしにくいヘッドホンを除いて駆動力は十分でしょう。

ゆとら

バランス接続は32Ω負荷時1400mW は、エントリークラスとしては大変立派な数字!
これも「買い」ポイントの一つだったんですよね!

DACはシーラスロジック製「CS43198」です。

いまやDACはESSと旭化成が市場を席捲していますので、シーラスロジックと聞いて

性能は一段落ちるのかな?

と思った方もいらっしゃると思いますが、「CS43198」は素晴らしい性能を持つフラッグシップMaster HIFI DACです。

Astell&Kernのスタンダード機種「A&norma SR35」でCS43198を4基使った「クアッドDAC」で話題になったDACでもあります。

その他Shanling(シャンリン)や、Hiby(ハイヴィ)と言った様々なメーカーで採用されている、いわば定番のDACの一つですが、やはり廉価機種に使われることが多いので、トレンドなのか気になる点ではあります。

『K11』が低価格で販売できているのは、このCS43198というDACが使われていることと、アンプがFiiOお得意のTHXと共同開発した「THX AAA-788+」ではない、というところによると思います。

あと対応サンプリングレート以上のハイレゾ音源やMQAファイルには未対応ですので、上級者向けではないですね。

付属品も十分で買ってすぐに楽しる『K11』ですが、初めてバランス接続を試したいという方は、対応しているヘッドホンやバランス接続用のケーブルを別途用意することになるのが注意点です。

『K11』のディスプレイと操作性について

『K11』のメリットでもあるのですが、ディスプレイが非常に見やすく、操作性が極めて簡単です。

前面にはアンバランス・バランス接続用の端子と見やすいLCDディスプレイ、ノブのみとシンプルながら美しいデザイン性です。

出典:FIIO Japan公式サイト

前面右側にあるボリュームノブ一つで、電源のオン/オフ、各入力の切り替え、メニュー操作、音量調整、その他の操作が可能になっていて、初めて使う僕でも直感的に使うことができました。

ノブを素早く2回プッシュすることでヘッドホン出力/RCA出力を選択でき、各出力では最後のボリュームを記憶するようになっています。

後面にはUSBの他、デジタル出力、LINE OUT(アナログ)両方付いていて、据え置き機として必要十分です。

別アンプやアクティブスピーカーをお持ちの方なら、『K11』をUSB-DACとしてそちらも活用できます。

FiiO『K11』の音質は?実力レビュー

では実際に『K11』をつなげて、PCからヘッドホンで音源を聴いてみることにします。

ファームウェアアップデートでファームウェアは最新にしています。

PC側が対応していたため、接続は付属のUSB Type A to Cケーブルでつないでいます。

k11

上下にあるアンプは無視してください。今回は使っておりませんので。

「FiiO」(フィーオ)と光るロゴがかっこいいですね。

ロゴは再生するオーディオ・サンプリング・レートにより色が変わります。

明るさ、色、光のパターンはすべてノブで調整可能になっています。

サンプリングレートによる色の違い
  • 青色:≦48khzのサンプリングレート
  • 黄色:>48khzのサンプリングレート
  • 緑:DSD
  • 信号入力されていない場合にはデフォルトの青色で点灯。
  • RGBインジケーターは設定メニューからOFFにすることも可能です

    ヘッドホンはゼンハイザー『HD598』をバランス接続しています。

    ゲインは3段階のうちM(中間)です。

    PCの再生ソフトは「Music Bee」を使用し、WASAPI排他モードで、192kHzにアップサンプリングして再生しました。

    ややジャジャ馬な音質?『K11』の初音出し

    早速、色んな音源(主にflacなのでCD相当の音源)を鳴らしてみると・・・

    あれ?音が汚い!!

    ザラザラとした質感で、どうも期待していた据え置き機の余裕みたいなものを感じません。

    それどころか、高域のザラつき感と、キレはありつつも、どこかぼんやりした低域。

    PC直挿しの音の方が余程マシなレベル。。。

    ゲインやイコライザーをいじればどうにかなるレベルではありません。

    濁った音、とでもいいましょうか?そんな感じの音がしました。

    エージングの問題でもなさそうです。

    「こりゃやっちまったな。」とエントリー機を買ったことを後悔したほどです。

    電源周りの見直しで『K11』の音が激変!

    諦めてメルカリにでも出そうかと思いましたが、

    駆動力あるフルバランス構成のヘッドホンアンプがこんな雑な音のわけがない!

    と前から気になっていたFX-AUDIOの「Petit Susie」(ノイズクリーナー)をダメ元で付けてみたところ、なんと音が激変しました!

    どうも家の電源周りがゴチャついていて、そのノイズが悪さをしていたのかもしれません。

    「Petit Susie」を接続した後は、濁った音が嘘のようにバランスの整った綺麗な音に激変し、見通しの良い現代的でクリアな音になりました。

    ノイズも非常に少なく『HD598』ではノイズは聴き取れないと言っていいレベルです。

    結果、

    この価格でこの音?

    というレベルの解像度の高い素晴らしい音が出るようになりました。

    音をどんどん上げていっても音が割れず、音の抑揚がよくわかります。

    むしろある程度の音量の方がクリアな高域とキレの良い低域がマッチし、確実にPCから慣らす音をグレードアップしてくれるのがわかります。

    もっと低域に深みが欲しくなるところが『K11』のデメリット

    もう少し低域にパワーがあればなお良しと思ったため、調子に乗ってFX-AUDIO「Petit Tank」というバルクキャパシタを追加で接続してみたところ、低域のパワー感が増し、もうこれは文句なし!というレベルの音になってくれました!

    結果、最終的には

    これエントリークラスのヘッドホンアンプの音なの?

    これで十分すぎないか?

    というほどの解像度の高い、大満足の音で鳴らしてくれています。

    ようやく『K11』の本当の実力が発揮できた、ということでしょうか。

    もし『K11』の音に満足できない場合は、騙されたと思ってFX-AUDIOさんの「Petit Susie」と「Petit Tank」を試してみて、と言いたいですね。

    きっと世界が変わると思います。

    ゆとら

    うちのゼンハイザー『HD598』を鳴らすには十分すぎる。

    音の分離が良く、細かい音も綺麗に描き分けてくれますし、低域はもう少しだけズシン!と深みがあれば更に最高ですが、そこまで望むとかなりの上級機が必要になるでしょう。

    それでも『K11』は、据え置き機ならではのパワー感と深みのある低域を鳴らしてくれます。

    特に「古い音源」を鳴らすと、昔のCDにも結構しっかり良い音が記録されているんだな、というのがわかるぐらい違いが明確にわかります。

    PC直挿しと『K11』を通した音質では、誰もが雲泥の差を感じられると思いますよ。

    この格安価格でこの違いをハッキリ出せていることは素晴らしいですね!

    『K11』はエントリー機としてはおすすめ

    FiiOのヘッドホンアンプ『K11』についてお伝えしてきました。

    電源周りさえ整えれば、ハッキリ言って「違いがわかる」高音質なヘッドホンアンプに仕上がっていて、約2万円ほどで購入できるとあれば、フルバランス構成の入門編としては文句なしの超ハイコスパモデルではないかと思います。

    確実にPCから聴く音楽の質を上げてくれますので、格安エントリー機という印象は持たなくてもいいかと思います。

    アマゾンの評価でも4.5/5ですし、価格コムも4.77/5と、いずれも高評価なのが頷けます。

    他のヘッドホンアンプとの違いは、やはりシンプルで見やすいディスプレイが付いていることやデザインですね。

    『K11』はこんな人に向いています。
    • コスパの良いヘッドホンアンプを探している人
    • ハイレゾも聴くが、CD相当や圧縮音源を良く聴く人
    • ゲーミングPCの音質を上げたい人
    • 古いCDの音源を良い音で聴きたい人
    • おしゃれなヘッドホンアンプが欲しい人
    • ハイエンドモデルのヘッドホンではなく、初級~中級クラスのヘッドホンを愛用している人
    • バランス接続に挑戦してみたい人

    ちなみに『K11』の音質を「10万円クラスの完成度」とおっしゃっておられる方もいるようですね。

    確かにブラインドで聴かされると、2万円台の音というチープさや質感はまるで感じないと思います。

    シンプルで飽きのこない質感の高いアルミニウムデザインと、スッキリ見やすいディスプレイ、デスクトップに置いても邪魔にならないコンパクトさ、一つのノブで色んな操作ができる使いやすさも『K11』の魅力です。

    ゆとら

    デザインの良いヘッドホンアンプって結構ないんですよね。

    エントリークラスの『K11』でこの音が鳴るなら、更に上級機種ならどんなに素晴らしい音になるのか?と興味が湧いてくる実力機と言っていいです。

    よって「『K11』は初めてのヘッドホンアンプには最適」と言って間違いないでしょう。

    ただし、対応サンプリングレート以上のハイレゾ音源やMQA対応を必須と考える上級者やマニアには向かない機種になります。

    個人的にはESSのDACが透明感があって好きなので、ESSの最新DACを搭載した機種も試してみたいのですが、FiiOの場合、高すぎるんですよね。。。(あとデザインがダサイし。。。)

    まずは『K11』で家にある音源を堪能してから、またESSのDACを搭載したヘッドホンアンプや平面磁界型のヘッドホンの世界に足を踏み入れたいと思っています。

    こんな感じで「オーディオ沼」にハマるには十分な性能を持った『K11』、買って損はないヘッドホンアンプだと思います。

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